はじめに
開発においてPull Request(PR)の作成は避けて通れないプロセスです。特にチーム開発では、PRでのレビュープロセスは必須でしょう。しかし、PRの型が定まっていないと、作成に時間がかかりますし、レビューアにも余計な負担をかけてしまい、品質の低下やスケジュールの遅延につながることがあります。
そこで、PRのテンプレートを導入することで、PR作成時に必要な情報を統一的に記述でき、レビューの効率化を図ることが可能です。本記事では、pull_request_template.md
を活用したPRテンプレートの作成方法とその効果について詳しく解説します。
PRテンプレートとは?
pull_request_template.md
は、GitHubリポジトリの.github/
ディレクトリや、リポジトリルートに配置することで、PR作成時に自動的に挿入されるテンプレートファイルです。これにより、PRに必要な情報を統一フォーマットで記述でき、レビューアが迅速に内容を理解できるようになります。※pull_request_template.md
ファイルを配置できる場所は上記の他にもあります 参照:GitHub公式
テンプレートの利点
- 情報の網羅性:変更内容や背景情報を記載するセクションを用意することで、重要な情報が漏れなく記述されます。
- レビューの迅速化:情報が整理されているため、レビューアは変更の意図を素早く把握でき、的確なフィードバックを提供できます。
- チーム間の統一性:テンプレートによるフォーマット統一で、各メンバーのPRが同じスタイルになり、可読性が向上します。
- ドキュメントとしての活用:PRテンプレートは、プロジェクトの変更履歴を記録するドキュメントとしても機能します。
どんなテンプレートにすればいいのか
前提として、PRテンプレートは、チームの特性や開発スタイルによって最適な形が異なると考えています。例えば、フロントエンドチームではUI変更のスクリーンショットが重要になったり、バックエンドチームではパフォーマンスへの影響やデータベースの変更に関する情報が必要になるでしょう。また、チームの規模やレビュープロセスの厳密さによっても、必要な情報は変わってきます。
そのため、ここでは最低限のpull_request_template.md
の例を示します。
## 変更内容 <!-- このPRでした変更を記載してください -->
## 関連するIssue <!-- - close #123 -->
まとめ
PRテンプレートは、コードレビューの効率化とチーム全体の生産性向上に大きく貢献します。pull_request_template.md
を利用することで、レビューアの負担を軽減し、プロジェクトのスムーズな進行を実現できます。また、個人での開発においても、テンプレートによる0→1で作成する手間と、可読性の高さは十分に効果を発揮します。
まずはシンプルなテンプレートを導入し、チームのフィードバックをもとに改善を重ねてみてはいかがでしょうか。効率的なレビュー文化を育む第一歩として、ぜひ取り組んでみてください。
参考になる公式ドキュメント
・GitHub公式のPR作成に関するドキュメント:Helping others review your changes
・GitHub公式pull_request_template.mdについてのドキュメント:Creating a pull request template for your repository